管理人の日々徒然&ジャンルごった煮二次創作SSアリ
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とりあえず、「86ーエイティシックスー」二次創作SS。
書くのを忘れてたけど、CP要素はシンレナなので。
つか、シンレナしか書かない。
第三者視点であっても、シンレナ。
早く10月にならんか。
分割2クールだから、2クール目は絶対に10月からだろうとは思ってたけど、2クール目はEp.2と3の「ラン・スルー・ザ・バトルフロント」の内容だろうというのは予測ついてるし。
おそらく最後の最後でシンとレーナの邂逅が見れるってやつでしょ。
1クール目で小説1巻の内容を時間かけてやってくれたのはいいんだけど、2クール目はバトルシーンが多いからいけるのかな?
ただ、小説2巻の内容が1クール目の最後あたりに入ってるから、2クール目はいきなり連邦に救助されたところからはじまるのではないかと予想中。
フレデリカのキャストは誰なんだろう?もう決まってるのはわかってるんだけど、情報がまだ出ないし。
というか、エルンストのCVは子安武人さんか、置鮎龍太郎さんがいいのですが。
そんでもって、グレーテは田中理恵さんかな。仕事がデキル女!というイメージがあるので、そんでもって優しそうな感じが出せる人とか。
しかし、一番脳内で声が固定されてしまってるのが、ヴィレム参謀長なのですが。梅原裕一郎さん推しで!
あとベルノルトは個人的には諏訪部さんがいい。なんとなく。
シデン、登場するかな、シデン。喋っておくんなまし。
と語りすぎたので続きからSS。
時期的には小説2巻ごろの話。ベースはシンレナだけど、CP要素はまるでなし。レーナ側の話を書きたかった。
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国軍本部の廊下を背筋を伸ばして歩く。
そんなレーナに向けられる視線は、好意的なものなど一切ない。
嘲笑交じりの罵声を浴びせられることもある。
けれど、それでも、決して屈してなるものかと心を折らずにいるのだと自分自身に言い聞かせる。
「待ちなさいよ」
階段を降りかけたところで声をかけられる。
「何か用?」
アネットが苛立たしげな表情で立っていた。
彼女とは「あの日」以来、ロクに言葉を交わしていない。
命令違反による降格から、東部戦線第一戦区の管制担当を外され、他の部隊へ担当が変わった。
「いいかげんにしなさいよ。あんたが何をしても変わらない。あのことでよくわかったでしょ!? 放っておいてもそのうちに〈レギオン〉は止まる。あんたがわざわざエイティシックスたちを使い潰すことなんてしなくていいのよ!」
「………………言いたいことはそれだけ? だったらもう行くわ。わたしはやらなければならないことがたくさんあるから」
友達だと思っていた。今でも友達だと思っている。
けれど、相容れない部分が確かにあるのだ。それを自分は認められないし、アネットもそうなのだろう。
彼女はきっと、諦めてしまった自分を恥じている。そして、そこから目を背けている。
だというのに、レーナは諦めない、向かい合おうとする。自分とは違う部分を見せつけられて、それがまた後悔を生み出しているのだ。
それがわかっているからこそ、レーナはこれ以上アネットに負担を与えたくなかった。
友達であっても、アネットはレーナと一緒には戦ってくれないのだから。
「待って、レーナ!」
階段を駆け降りてくる足音とともに腕を掴まれる。
「痛いわ、離してくれない?」
「…………あんた、ちゃんと寝てるの?」
レーナは一つ瞬きした。
もしかして、声をかけてきた本当の理由はこれだろうか。
「休憩はとっているわ」
「そうじゃなくてっ……………もうすぐ〈レギオン〉は止まるのよ。何をそんなにムキになっているの?」
「…………〈レギオン〉は止まらないわ」
「え」
階段の踊り場で声を極力声を抑えて話す。
といっても、誰もレーナの言葉に耳を傾けたりしないので、あまり効果はないが。
「あんたまだそんなことをっ!」
「シンが教えてくれたわ」
「っ!?」
腕を掴む手がビクリと震えた。
「〈レギオン〉は止まらない。これからもっと増えて、近いうちに私たちが負けるって。シンは確実にそれを知っていた。他のエイティシックスたちもそれを予知している。私たち白ブタに知らせたって、誰も信じないから放っておかれてるだけ。『その日』が来たらどうなると思う? エイティシックスたちは私たちを守ってはくれないわ。その頃にはもっと数が減ってるでしょうから」
「あんたまさかそのためにエイティシックスを使い潰して!?」
「違うわ、来るべき日に備えているだけよ。わたしは生きなければならないから。シンが生き延びて欲しいとわたしに言ってくれたから、私は生きる。あの人が行った、その先へ行ってみせる。それが、あの人の願いだから」
「シンが、言ったの? …………あんたに、そんなこと」
「ええ」
胸ポケットがある部分を押えて笑みを浮かべる。
絶対に、忘れたりしない。
愛おしげでもあり、哀しげでもあるような、レーナの笑顔をアネットはこれまで見たことがなかった。
エイティシックスは、シンは、共和国人を恨んでいるはずだ。憎いと思っているだろう。
それなのに、シンはレーナに生きて欲しいと願った。
どうして。
どうして、その言葉を告げられるのがレーナなのか。
ぎゅっと下唇を噛んだ。
当たり前だ。
そんな権利、自分にはない。
とっくの昔に捨ててしまったのだから。
今はただ、良心の呵責に苛まれて生きているだけだ。きっと自分は未来永劫、その思いを抱えて生きていくのだろう。
「…………もういいかしら」
レーナはやんわりとアネットの手をはずさせた。
「待って」
再び呼び止めるとレーナは怪訝そうに振り返った。
「………………私に、何かできることはある?」
「アネット?」
自分が知っているあの子なら、きっとそんなことで嘘はつかない。
だったら。
「シンが、あの子が言っていたというのなら信じるわ。私はまだ死にたくないの。協力できることがあるならさせてちょうだい」
「……………ありがとう、アネット」
そう言ったレーナは以前のような輝くような笑顔ではないが、どこかホッとしたような様子だった。
「だったら………」
ひそめた声で告げられた内容に、アネットは首を振る。
「駄目よ! そんなことしたら、あんたの体がもたないわ!」
「短い時間だけでいいの! 全エイティシックスたちに連絡を取れるだけでいい。協力してくれる人がいるかもしれないから。お願いよ、アネット。貴女ならできるでしょう? 無理はしないと約束するから」
「……………わかったわ。なんとかしてみせる。なるべくあんたの体に負担をかけないようにするわ。素人が無理矢理つなげるよりは安全だもの」
「ありがとう」
「ただ、時間がかかるわ。バレないように、少しずつやっていかないと。………カールシュタール准将にはバレたくないんでしょう?」
「ええ」
前に聞いたとおりだ。
カールシュタールは共和国のエイティシックスへの迫害と虐殺を憂いながらも、自身ではなにも行動しなかった。諦めて、ただ生きているだけの存在。
レーナはもう彼には期待しないことにしたらしい。邪魔をされてはかなわないから何も告げない。
まだ用があるからと行ってしまったレーナの背中を見やってから踵を返す。
自分の研究室に急いで戻って〈知覚同調〉の設定を見直すことから始める。
―――なるべく、負担をかけないようにしないと……
アネットはレーナが無駄な足掻きをするのを見ているのが嫌だった。
幼い日の自分の罪を見せつけられているようで。
何もしなかったどころか、大切だった人をむやみに傷つけてしまったことを責められているみたいで。
だからこそ、せめてレーナの手助けができるのであれば、と。
今の自分ならそれができる。
それが何の罪滅ぼしにもならないことはわかっているけれど。
シンが、レーナに生きて欲しいと願ったのなら、自分だってレーナを生き延びさせる。
その裏技による、全エイティシックスに繋がる〈知覚同調〉によって、レーナと同調した連邦軍のプロセッサーを間接的に助けることになるとは、このときのアネット自身は思いもしなかった。
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