管理人の日々徒然&ジャンルごった煮二次創作SSアリ
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先ほど、会社のBBQから帰ってきました。
思ったよりも早く帰って来れた。
お腹いっぱい食べすぎて気持ち悪い(苦笑)
明日は「図書館戦争」を見に行くんだ!
前情報をほとんど耳に入れてないので、すごく楽しみ!
岡田くんのアクションがたっぷり見れますように!
そういうわけではないのですが、久々に図書戦SSでも。というか、堂郁SSだね。
といっても、数年前にこのブログで公開してたかもしれない。
なにしろ、最終更新日が2008年とかだった。
7年前じゃんよ(汗)
図書戦ファンになったのって、LaLaに漫画連載されはじめたのがきっかけ。
第一話を見ただけで、続きが知りたいと思って、すぐさま近所の本屋に自転車を走らせた覚えがある(笑)
その時は「危機」までしか発売されてなかったんだけど、三冊全部本屋にあったので、五千円を出しましたよ(笑)
すっかりはまりまくり、オンリーにも久しぶりに参加して、一冊ほど作ったっけな~。
あれが同人誌は最後だ。
語りすぎた(苦笑)
続きにいくつか短編を入れておきます。
小話程度の短いものばかりです。
病院では早い時間に夕食が配膳される。
身動きできない身ではできることが限られているので、夕食後に友人に借りてきてもらった本を読んでいるとドアがノックされた。
「はい」
もしかして彼女だろうか。
昨日の帰りがけに今日は来れないかもしれないと言っていたので来ることは期待していなかったのだが、もしかしたらと思わず身を起こす。
「堂上、頼まれてた本の追加持ってきたよ……ご…ごめ…期待させた?……ブフーッ!」
病室に入ってきて堂上の顔を一瞥するなり、小牧は思いっきり吹き出した。
「入ってきて人の顔見るなり笑うな!失礼な奴だな!」
笑われた理由については自分でも予想がついたので苦虫を噛み潰したような顔になる。
「ご……ごめ……だって、堂上…いかにも誰かを待ってましたって顔で……おま…おまけにさぁ…」
「おまけになんだ!」
笑いをこらえながら話す友人に、堂上は仏頂面になった。
「この前と顔つき違うよ、全然。そっかぁ……よかったね、堂上」
「何がよかったんだ」
小牧はようやく笑いをおさめると椅子に腰掛けた。
それを目の端に捉えながらも堂上は仏頂面のままそっぽを向く。
「笠原さんと付き合うことになったんじゃないの?」
「な、んで」
わかった?と言葉にはしなかったが、他人に無関心なようでいて、心の機微に敏いこの友人が気づかないはずがない。
案の定、小牧は自分で答を口にする。
「今日の笠原さん、機嫌よかったを通り越して浮かれてたんだよね。昨日ここに来たんだろ?あんたもこの前まで笠原さんが来ないからって人の顔見れば不機嫌そうにしてたのに今日は顔つきが違うし。彼女を褒めてやるのは当然としたものとして、告白もしたの?」
「いや、俺は…」
「あれ、まさか笠原さんから?…まあ、彼女らしいよね。自分から告白するっていうのに抵抗ない感じだし…でも、よかったじゃない」
最後の一言がやけに実感がこもっていて、今まで散々気を遣わせた覚えがあるだけに照れを含みながらも頷く。
「ああ、まあな」
「じゃあこれからはおつかいは笠原さんに頼もうかな」
「別にあいつには大義名分をつけてやらんでも来たいときに来るだろ」
転院したらまめに顔見せろと言っておいたことでもあるし、わざわざ理由をつけなくても会いに来るに決まっている。
なにしろ恋人となったのだから会いたいときに会って何が悪いというやつである。
「そうじゃなくて、ここで鉢合わせしないほうがいいかと思って」
「?」
訝しげに眉を寄せた友人に、吹き出しそうになるのをこらえながら説明する。
「お取り込み中のときに俺が邪魔したら、笠原さんに悪いだろ?」
「バッ…」
小牧の言いたいことを瞬時に悟り、頬が赤くなる。
「お前、何言ってんだ!それに、そういうことは笠原にだけ悪いと思うな!」
「彼女は俺の部下でもあるんだよ?おまけに女の子なんだから気を遣わなきゃ。あの子のことだから気まずいところに居合わせたら二度と何もさせてもらえないかもよ?」
「縁起でも悪いこと言うな!」
起こしていた体を前のめりに突っ伏しそうになりながら言う。
何もさせてもらえないって、病室で何が出来るというのだ。
「彼女とめでたく想いが通じ合って幸せ絶頂の男を見たら、ついついやっかんで意地悪したくなるものじゃない?」
「何言ってんだ。彼女持ちが!」
苦々しげに言った堂上はふと眉根を寄せる。
「おまえ、まさか上手くいってないのか?」
「それこそまさかだよ。うちは円満ですよ。皆さんのおかげをもちまして」
「ならいい」
むすっとした顔は相変わらずだが、心配させたのだなと思うとからかって悪かったかと思う。
腕時計を見るとそろそろ面会時間が終わりかけていた。課業後に遠出してくるのだから時間はそれほどないのだ。
「じゃあそろそろ帰るよ」
「ああ悪いな。わざわざ」
「そう思うんだったら、無茶するのはやめてくれよ」
「肝に銘じておく」
そう言いながらも無茶するときはするのだろうなと長年のつきあいでわかる。
ドアの前に立ってから振り返る。
「そうだ。とりあえず転院初日はみんなに遠慮するように言っておこうか?」
「なんでだ?」
「たぶん、笠原さんがすっ飛んでくると思うんだけど、二人っきりで過ごしたいんじゃないの?」
「バカッ!そういう気遣いはせんでいいっ!気を遣うところが違うだろ!」
ガシッと先ほど手渡した図書を掴んだところで、小牧はすばやく病室を出た。
本が飛んでこなかったのは図書館のものだという自制心が働いたからだろう。
からかうくらいはいいじゃないか。
いろいろと心配させられたんだから。
そう、いろいろと、ね。
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堂上は今耳にした言葉を疑った。
「おまえ、何考えてる?」
幼かった日ならいざしらず、この妹が何の報酬もなしに自分の頼みごとを聞いてくれたことがあっただろうか。
いつもいつもいつも、精神的ダメージを受けるようなおねだりばかりしてくるのだ。それがどうしても聞けない、できないような無茶なおねだりはしないだけについつい言うことを聞いてやってしまうのだが、今日に限ってすんなりと頼みごとを聞いてくれるとは天変地異の前触れか。
思わず窓の外を見てしまうが空は晴れ渡っている。
「えー、別に何もー?兄貴にもせっかく可愛い年下の彼女ができたんだから、お金のかかるおねだりはやめておこっかなーと思って。そういうのは郁ちゃんにまかせるわ」
携帯電話から聞こえてくる声は至極楽しそうだ。
「あいつはそういうところは慎み深いんだ。お前と違ってな」
最後の一言を強調して言ってやったのだが、電話向こうの相手は一向に堪えた様子はなくけらけらと笑った。
「やっぱりいい子だね。郁ちゃんは」
「当たり前だ」
友人相手ではなく、この妹相手ならしれっと惚気られるのだが。
「それはともかくー、今度郁ちゃんと遊ばせて?」
「何?」
「お父さんたちから聞いてるよ。正月以来、時々郁ちゃん連れて家に行ってるんでしょ?あたしも郁ちゃんと話したいし、遊びたいのにー。なんであたしがいない時狙ってんの?」
「別に狙ってないぞ。お前の休みが合わないだけだろうが」
それは本当の話だ。図書隊は年中無休状態のためシフトを組んで休日をとっているので平日が休みになることだってあるのだ。
「じゃあ今度あたしの休みに合わせてよ」
「何言ってんだ!お前が俺たちの休みに合わせろ!有休でもなんでも取ればいいだろうが!」
「兄貴横暴!」
「横暴で何が悪い!」
「ちぇー、わかったわよ。今度休み取るから、その時は郁ちゃん連れて来てよね」
「わかったわかった」
「近い将来、あたしのお義姉さんになるかもしれないんだもんね。仲良くしとかなきゃ」
堂上は飲みかけていたビールを吹き出した。
「お、おま…何言っ…」
「えー?だってあんなに頻繁に家に連れてきて、お父さんやお母さんと顔合わせしてるんだから、将来のことでも考えてるのかなー?と思って?え、何何?違うの?何してんの?」
「バッ…何もしてない!」
何かを思いついたかのように興味津々の態で訊ねてくるので慌てて否定する。
本当は自室に鍵までかけて「何か」をしているのだけれど、嘘でも否定しておかねばなるまい。
「兄貴が彼女を家に連れてくるときはその人がお嫁さん候補かなって思ってたのよね。それに郁ちゃんだといいなーと思ったの。真面目で素直そうだし、兄貴には合ってそうだから」
口調は軽かったが内容は真面目で、堂上は目を瞬かせた。
「それじゃああたしが休み取れたら連絡するから、絶対に連れて来てよ」
「ああ、わかった」
「ふっふっふー、楽しみだなー。郁ちゃんと喋りまくるんだー。郁ちゃんのことも知りたいけど、仕事してるときの兄貴はどんな感じなのか訊きたいし、昔の兄貴はこんなだったーとか喋りたいし、あることないこと」
「ちょっと待て!」
最後の一言はなんだ。
あることはともかくないことって何を喋るつもりだ!
「あいつにいらんことは話すな!というか嘘は言うな!あいつは素直と言えば聞こえはいいが、なんでもかんでも真に受ける奴なんだぞ!」
「はいはい。じゃあほどほどに…」
「ほどほどでもやめておけ!」
やっぱりこいつに郁を会わせるのはやめようかと思う堂上だった。
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二人が住む官舎も決まり、新居に必要なものをあれこれと買い揃え始めたある日のことだ。
「もうほとんど揃ったな」
郁と二人で相談して新居に必要なものを書き出したチェックリストを見ながら堂上が言った。
「電化製品や家具はお店から配達してもらうし、引越し当日に必要なものさえあればなんとかなるんじゃない?」
最近になってプライベートでようやく敬語が抜け始めた郁はチェックリストを覗き込む。
「そうだな。後は何がいるのかは住んでみないとわからないよな」
「うん」
二人とも寮で暮らしていたので個人的に必要なものは持っているのだから、バス・トイレ・キッチン用品を買い揃えれば問題はないだろう。
「必要な物は仕事の後か休みの日に買い物に行けばいいよね」
「ああ」
堂上の両手に買い物袋がいくつかぶら下がったとき、郁が声をあげて突進した。
「なんだ?」
郁が真っ直ぐに駆け寄ったのはファンシーショップで女の子向けの可愛らしいグッズが陳列棚にたくさん並べられていた。
女性連れということもあって堂上は抵抗なく婚約者のあとをついて店内に入った。
「篤さん!見て見て!ももイルカ!」
郁が両腕に抱えきれないほどに大きなぬいぐるみを指差した。
「ああ、これか」
何年か前に同じピンク色したイルカのストラップを郁に買ってやったことを思い出す。
よほど好きだったのだろう。ストラップの紐が切れるまでつけていたはずだ。
「でかいな」
「かわいいーっ!」
こんな大きなぬいぐるみを誰が買うんだとかどうでもいいようなことを思う。
しかし、この大きさでも可愛いと思うのか、郁は抱きつきそうな勢いで見つめている。
バッと堂上を振り返った郁のキラキラと輝いた目を見て、マズイ!と本能的に察知する。
「篤さん」
「ダメだ」
「ちょ、まだ何も言ってないよ!」
「お前、これが欲しいとか言うつもりだろ!」
「いくらなんでもこれが欲しいとはいいません!あたしが欲しいのはこっち」
そう言って郁が指差したのは巨大なピンク色のイルカよりも一回り小さなものだった。
「これでも十分でかい!ダメだ!」
「なんで!?これ可愛いじゃない!ほら大きさも抱き枕にできそうでいい感じ。柔らかいし」
郁は自分が指差したぬいぐるみを持ち上げて堂上に押し付けた。
頬に当たった布地は肌触りがよくふんわりとしていて気持ちよかった。
確かに気持ちはよさそうだ。
だが、やはり大きすぎる。
「ダメったらダメだ。お前官舎の大きさわかってるか?どう見たって分譲マンションや一軒家よりは狭いんだぞ。どこに置くつもりだ」
「ベッドの上とか」
「ほー、それでお前とこのぬいぐるみでベッドの上を占領するわけか。俺は新婚早々ベッドから追い出されるんだな?」
「ちがっ……そこまで言ってないじゃん!……可愛いのにー……どうしてもダメ?」
ぬいぐるみを抱え込んで上目遣いに見つめる郁の姿に何故か「きゅ~ん」と鳴いている小犬を想像した。
いかん、ダメだ。ほだされるな。
「あたしが自分で買いますし、堂上教官の邪魔はしませんから……それでもダメ?」
「……どうしても欲しいのか」
「はい」
「わかった。買ってもいい。ただし、もう一回り小さいのにしろ」
堂上が示したのは郁が両腕で抱えられるほどの大きさのももイルカだった。
「これ?」
「ああ、それなら譲歩してやる。だから我慢しろ」
「わかりました!いいんです、大きさなんて、可愛いから!」
郁はそう言ってももイルカのぬいぐるみをきゅっと抱きしめた。
「で、あんたはそれを持って帰ってきたのね」
「だって、官舎に置いてきたら可哀想じゃん」
官舎の内装のリフォームも終わり、荷物を置ける状態になっているので購入してきた生活必需品は官舎に置いてきた。しかしももイルカだけは寮へ持ち帰ってきたのだ。
堂上には呆れられたがどうせ引越し当日に運ぶのは自分だからいいのだ。
ももイルカを抱きしめて郁は頬を膨らませた。
「もっと大きいのがあったのよ。でも堂上教官がこれなら買ってもいいって言うから」
「そりゃあせっかくの新居にそんなピンク色した大きなぬいぐるみなんて置きたくないでしょうよ。堂上教官はセンスいいみたいだし、家具とかもけっこう凝りそうだもんね。そこにピンクのイルカ!ありえないでしょうが」
「いいんだもん。堂上教官がいいって言ってくれたから」
ぬいぐるみを抱きしめたままゴロンと転がると柴崎は「プライベートでは甘々ねぇ」と呆れ口調で言った。
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寮の自室に戻るとワンホールサイズのケーキがテーブルの上に乗っていた。
「えーっ、これどうしたの、柴崎?」
「買ってきたに決まってるでしょうが」
「いやそれはわかるんだけど、どうするのよ?」
「食べるに決まってるでしょうが」
「あんたが?」
「あたしとあんたがよ」
「えーっ、いいの?」
柴崎がケーキを切っている間にポットに入っているお湯で紅茶を入れる。
「ここのケーキっておいしいって評判なのよね。一度食べてみたくってさ。あ、もちろんお代は半分もらうわよ」
「そうだろうと思った」
そういうところはしっかりしている友人の性格を郁も把握していたし、自分も食べるのだから半分払うのは当然だろう。
「にしても、なんでワンホール?」
「おいしそうだったのよ。生クリームは真っ白だし、いちごもたっぷりのってたし。このサイズならあんたと半分にすれば食べれそうだと思ったし。余ったら冷蔵庫に入れて明日食べればいいじゃない。新鮮さは落ちるけど」
「そうだねー」
目の前に差し出された皿を受け取って、わーおいしそうとフォークを入れる。
「おいしーい!」
「評判通りね。生クリームが甘すぎなくてしつこくないからいくらでもお腹に入っちゃいそう」
「うん、こんなにたっぷりのってるのにね」
ケーキ談義でひとしきり盛り上ってから郁は携帯を取り出した。
「味は落ちるかもしれないけど明日食べようかな」
柴崎は自分の分の残りを皿に載せて冷蔵庫に入れた。
「笠原、あんたどうするの?冷蔵庫に入れておく?」
「んー…」
携帯の操作を終えると紙の皿を取り出してラップをかけ、それを持って立ち上がった。
それだけで柴崎は察したようでニヤニヤと笑って頬杖をつく。
「あの人、甘いもの苦手なんじゃなかったっけ?」
「甘すぎなくてあっさりしてたら食べられるもん」
自分の行動なんてすっかり見透かされてるなと思いながらもいそいそと部屋を出た。
共有ロビーまで行くと堂上もちょうどやってきたところだった。
「すみません。いきなり」
「いや、かまわんが…おまえ、どうした?」
堂上が小さく吹きだしたのを怪訝に思いながら後に隠していた皿を差し出す。
「あの、これ食べてください!」
「おまえが作ったのか?」
「違います」
そう言えたらいいのだが、自分にそんな技術はない。
わかってるくせにとちょっとだけ唇を尖らせる。
「柴崎がおいしいって評判の店で買ってきたんです。すっごくおいしいんですよ。生クリームがこんなにたっぷりなのに、あっさりしてていくらでも食べられそうで」
「なるほど、それでか」
堂上の指が頬に触れたかと思ったら、その指には白いものがついていた。
それをぺろりと舐めた堂上は意外そうな顔をした。
「本当にあっさりしてるな、このクリーム。これなら食べれそうだ」
「そ、そうですかっ!?よかったですっ」
「ありがとうな。お前の取り分減っただろ?」
「あ、いえ、おかまいなくっ、堂上教官にも食べてもらいたいって思っただけなので!」
それじゃ!とペコリと頭を下げて脱兎のごとく自室に駆け込み―――
「柴崎!あんた気づいてたでしょ!」
と叫んだ。
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