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管理人の日々徒然&ジャンルごった煮二次創作SSアリ
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まだまだあります(笑)
松美もいくつかあるんだけど、需要はあるんだろうか。

ツバサナにしても、松美にしても、基本的にR-18なものは書いてないですけどね。

これは中学生編が始まったころの話。
読めばどのあたりのことかわかると思う。
実は、この時期のツバサナの関係が一番好きかも。

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【それはゆっくりと染みこむ】
 
 
 
 たぶん、それはもうあのときから始まっていたのだ。
 
 
 中学三年の初夏。
「お疲れさま」
「あ、ありがとう」
 差し出されたスポーツドリンクのペットボトルを受け取った翼は一気に飲み干す。
 早苗は自分の手にもスポーツドリンクを持っていた。
 二人でベンチに並んで腰掛ける。
「そういえば、なんでマネージャーがここにいるの?」
 そのことにようやく気づいたといわんばかりに翼は尋ねる。
 早苗の格好はどう見ても私服だ。
 しかも、どこかに出かけようとしているようにも見えた。
 
「え?ええと、それは…」
 早苗は冷や汗をかく。
 まさか、喫茶店の中から先ほどの大友中のサッカー部員たちとのやりとりを見ていたなんて言えない。
 そこに久美がいなかったのなら素直に言えるのだが、今それを言うとまるで浮気現場を見ていたというのと似たような状況になってしまいそうだ。
 自分は翼の彼女ではないというのに。
「その、昨日、大友中の浦辺くんたちのこと気にしてたでしょ?石崎くんたちの誘いも断ってたし、もしかしたら一人で練習しているのかもって思ったのよ」
 全部が全部嘘ではない。
 翼のことだから浦辺と話をしたことで自分も練習をしなければと思ったのだろう。
 あのあとどこかに行ってしまったのも、家に一旦戻るためだったのだ。
 きっとサッカー場に行っているに違いないと思い、自分も家に一旦戻ってタオルなどを用意して出てきたのだ。
 そしたら案の定、一人でサッカーボールを蹴っている翼を発見した。
 
「すごいな、マネージャーは。おれってそんなにわかりやすい?」
「少なくとも、サッカーに関するかぎりはね」
 早苗はクスリと笑って翼を見返した。
「翼くんはサッカーが大好きで、誰よりも負けず嫌いだもの。それがわかってれば、考えることは一つでしょう?」
 でも、と早苗は続ける。
「でも、あんまり無茶はしないでね。練習するのは大事なことだと思うわ。だけど…体を疲れさせるのはあまりよくないことだと思うの。体を休ませることも忘れないで。翼くんたら、ほっといたらいつまでも…倒れるまで練習してそうなんだもの」
「そんなことは…ないよ」
「そうかしら?」
 早苗に心の中を見透かされたみたいで、翼は本当にマネージャーには隠し事ができないなと思った。ことサッカーに関する限りは。
 早苗は諦めたように肩をすくめた。
「まあいいわ。どうせ翼くんのことだから、私のいうことなんて聞いてくれそうにないもの。でも、本当に無理だと思ったら本気で止めさせてもらいますからね」
 力ずくでも、という意味を言外に受け取って翼は首をすくめた。
 力の強さは圧倒的に翼のほうが上だろう。だけど、きっと抵抗できないに決まっている。
「おっかないなぁ」
「なんですって!?」
 もうっ、と早苗が拳を振り上げると逃げるように立ち上がる。本当に殴られるとは露ほども思っていないが。
「さてともう少しやるかな」
「そうね。さあ、がんばって!」
 背中にかけられた声にどきりとして振り返る。
 早苗は微笑んでそこにいた。
 
 ずっと変わらないなと思った。
 初めてサッカーの試合に参加した三年前の春。
 思えば、翼が初めて試合に出たときから早苗はずっと応援し続けてくれているのだ。
 いつでも近くにいて、どんなときでも応援してくれる。
 彼女は気づいているだろうか。
 その応援が自分にどれだけの力を与えてくれているのか。
 
 ずっと応援していて欲しい。
 そんなことを考え始めたのはつい最近のことだけれど。
 
 
 
 願わくは、このままずっといられますようにと―――
 
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